札幌から稚内へJRで日帰り旅行 宗谷岬・ノシャップ岬を巡る

ノシャップ岬の画像旅行記

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札幌から稚内。一応同じ北海道内なので、日帰りできるのでは?と思う方も多いかもしれません。

しかし、その距離はというとなんと300㎞越え。東京からでいうと名古屋あたりまで行けてしまう距離なのです。

東京~名古屋なら新幹線もあるので十分日帰りできる感じですが、札幌~稚内には当然新幹線はありません。そこでJRの特急列車を使うと、片道5時間もかかるのです…

普通の人なら宿泊するところですが、今回はJRの特急列車を利用して日帰り旅行をしてみました。片道5時間、稚内滞在時間も5時間という、滞在時間よりも移動時間のほうが長いという無茶苦茶な旅ですが、宗谷岬とノシャップ岬という二つの岬を巡ることができ、案外楽しめました。

今回は冬の旅行ですが、夏には稚内駅でレンタサイクルを借り、宗谷岬、宗谷丘陵、白い道を巡る札幌からの日帰りサイクリング旅行もやっています。その様子についてはこちらへ。

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行程

札幌→稚内日帰り旅行の大まかな行程はこのような感じです。

札幌7:30発JR
稚内12:40着
(北防波堤ドーム)
13:20発バス
宗谷岬14:10着
(宗谷岬)
14:55発バス
稚内15:48頃着
15:48頃発バス
ノシャップ16:00頃着
(ノシャップ岬)
16:42発バス
稚内16:58着
17:44発JR
札幌22:57着
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特急「宗谷」で稚内へ

時刻は朝の7時過ぎ、札幌駅から特急「宗谷」で稚内を目指します。

8番線から7時30分の発車です。5時間以上の長旅が始まります。

ちなみに列車の中に自動販売機や車内販売はないので、あらかじめ買い込んでおくのがおすすめです。

列車と座席はこのような感じ。可動式枕などはついていませんでした。

自由席を利用しましたが、窓側が8割埋まるくらいの乗車率で札幌を出発しました。日曜日ということもあってか、稚内まで行く旅行者が多かったように思います。

座席は進行方向左側を確保。この後車窓を紹介しますが、天塩川や利尻富士など車窓は基本左のほうが良いので、左側の席がおすすめです。

特急宗谷についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

札幌を出てから15分ほど走って住宅街を抜けると、早くも広々とした雪原の景色に。

旭川の手前、深川まで列車は石狩平野を駆け抜けます。

晴れていれば左手に暑寒別岳などの増毛山地がきれいに見えるのですが、あいにくの空模様で全く見えず。

深川を過ぎると山越えです。木々についた雪が美しい。

山を抜け開けてくると建物も多くなり、旭川に到着です。

ここまで約1時間半。まだ3分の1も来ていません。

少し乗客が入れ替わり、宗谷本線に入っていきます。

ですが、前日3時間しか寝ていなかったこともあり寝てしまいました…

気付いたら名寄に到着。時刻は10時前。

ここでやっと全行程の半分ほどです。稚内、遠すぎる…

名寄の市街地を抜けると、ここからは左手に天塩川を見ながら進みます。

天気はいまいちですが、文字通り白銀の世界。とても美しい景色が楽しめます。

美深、音威子府と停車し、列車はさらに山の中へ。

写真に収めることはできませんでしたが、鹿の姿も見ることができました。

まるで水墨画のような絶景も。

ところによっては川が凍っていたり雪で埋まっていたりする場所もあり、まさに雪国、といった景色が楽しめます。

山を抜け幌延を過ぎると、今度は原野が広がります。サロベツ原野です。

木と雪以外何もない、まさに原野。

その原野を抜けセイコーマートの「とよとみしぼり」で有名(?)な豊富を過ぎ、日本最北の無人駅である抜海駅を通過すると、いよいよ宗谷本線のハイライト。

日本海と、その向こうに浮かぶ利尻富士が望めるはずなのですが…

残念ながら利尻富士は望めず。

天気が良ければこんな絶景が広がります。

まあこの時も少し雲をかぶってしまっていますが…

この景色を見て少し走ると、列車は稚内の市街地へ。

時刻は12時40分、札幌から5時間10分もかけてやっと稚内に到着です。

ホームには日本最北端にちなんだものがたくさん。

札幌駅や函館駅からの距離に加え、

日本最南端の駅西大山駅や、

その先の枕崎駅からの距離なども表示されていました。

枕崎駅からは3099.5㎞。これだけの長い距離がレールでつながっているなんて…なんだか感動します。

雪深い最北端。終着駅感が漂っています。

駅の外にも少し線路が続いており、

ここに「日本最北端の線路」という碑がありました。

肝心の線路は雪に埋もれて見えにくいですが…

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5時間で稚内観光

稚内到着は12時40分、帰りの特急出発は17時44分なので、稚内の滞在時間はおよそ5時間。

この5時間を目いっぱい使って、宗谷岬とノシャップ岬という二つの岬を巡ります。

宗谷岬とノシャップ岬の位置関係はこのような感じです。

稚内港北防波堤ドーム

まずは宗谷岬に向かいますが、バスの出発まで時間があるので、稚内駅から徒歩5分ほどのところにある稚内港北防波堤ドームへ。

かつて存在した樺太航路への乗り換え通路、及び防波堤の役割を果たすために建設されたものだそうで、その独特な形から土木遺産などに認定されているそうです。

昔はドームの手前まで線路が伸びており、そこからこの防波堤ドームの中を通って船に乗り換えたのだそう。

こんな形をした防波堤、まずないですよね。

まるで外国のような景観です。

稚内駅からすぐなので、時間があれば足を伸ばしてみることをお勧めします。

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宗谷岬

駅に戻り、路線バスで宗谷岬を目指します。

ちなみに雪がない時期ならレンタサイクルという手もあり、これがかなりおすすめなのですが雪があっては仕方ありません。

宗谷岬までは片道1,420円ですが、宗谷バスの駅前ターミナルでお得な往復乗車券(2,560円)が発売されているのでそちらを購入。

降りるときに切り取って運賃箱に入れるシステムです。

宗谷岬方面のバスはセイコーマートの前のバス停から出発。

バス待ちの間にふと標識を見ると、英語に加えロシア語の表記がありました。

ロシアが近いことを実感します。

13時20分発の中頓別行バスに乗車。

左手に海を見ながら進むので、座席は左側がおすすめです。この日はほとんど座席が埋まり、ほぼ全員が宗谷岬観光組でした。

こんな感じで海を見ながら進みます。

ただ、窓が曇ったりそもそも天気が悪かったりであまり景色は楽しめませんでした。

50分ほど走って14時10分頃、ついに日本最北端、宗谷岬に到着です。

まずは「日本最北端の地」の碑がある方へ。

まさしく日本最北端です。

札幌からでも6時間ほどかかったので、もっと遠くから来たら「最北端に来た」という感動もひとしおでしょう。

最北端から眺める海。

余談ですが、この辺りは遠浅のため自殺には向かないらしいです。海に入ってもずっと足がついてしまうからだとか。

近くには間宮林蔵の銅像も。

樺太(サハリン)の方を向いて立っています。

バスで一緒に来た方々を含め、人は案外多かったです。

気温は-3.4℃とそこまで低い訳ではないのですが、風が強すぎて死にそうな寒さです。

ちなみに今回は購入しませんでしたが、このお店などで最北端到達証明書も販売しています。

最北端の自動販売機。このあたりでは何もかも最北端です。

ただこれ、左端の自販機は間違いなく最北端ですが真ん中は最北端ではないのでは…(笑)

続いて岬の反対側へ。

こちらには丘陵が広がっており、少し高いところから宗谷岬を眺めることができます。

最果て感が漂います。意外とこのような天気が悪い雪景色のほうが最果て感を堪能できるかもしれません。

反対側には丘陵が広がっており、戦没者慰霊碑などもあります。

が、雪と寒さでじっくり見てまわるのは無理でした。

日本最北端の信号。押ボタン式でした。

再び最北端の碑のほうへ。

バスの到着直後は人が多いですがある程度時間が経つと少なくなるので、時間が経ってから来るのもおすすめです。

日本最北端のバス停(見にくいかも)とトイレ。

45分間の滞在で日本最北端を十分に味わい、14時55分発のバスで稚内市街に戻ります。

45分って短いかも、と思うかもしれませんが、十分楽しめます。というより真冬ならこれ以上いると寒さで死んでしまいます。

帰りは右手に海を見ながら戻ります。

なんか天気が回復してきたような…

また50分ほど乗車して15時50分頃、稚内駅に戻ってきました。

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ノシャップ岬

続いてノシャップ岬に向かいます。

稚内駅からノシャップ岬へはバスで15分ほど、運賃は片道220円です。15~20分おきに運行しており、けっこう本数はありました。

僕の時も宗谷岬からのバスが着いたらノシャップ行きが止まっており、すぐに乗り換えできました。

乗り込んだバスの車内。座席配置がなかなか特徴的です。

15分ほどでノシャップバス停に到着。

ここからは少し歩いてノシャップ岬へ。

だんだん晴れてきました。

岬の手前には寒流水族館なるものも。残念ながらまん延防止措置のため休館中でした。

他にも食堂などがありましたが、こちらは冬季休業。冬は基本的にどこも営業していないと思ったほうがいいかもしれません。

休業中ではありましたが、あざらしか何かの鳴き声は聞こえてきました。なんだかむなしい気持ちになりました…

水族館を通り過ぎるとすぐ、ノシャップ岬です。

かわいいイルカの像が出迎えてくれます。

天気も回復して夕焼け空が。

宗谷岬もこれくらいだったら良かったのにと思いますが、ここで回復してくれただけでも良しとします。

天気が良ければ利尻富士なども見えるようです。

雰囲気的には宗谷岬よりこちらのほうが好きかもしれません。まあ天気の問題もあるかもですが…

美しい夕景を堪能して、再びバスで稚内駅に戻ります。

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特急「宗谷」で札幌へ

稚内駅に戻ったのは17時頃。まだ列車まで時間があるので、再び北防波堤ドームへ。

夜になると明かりがついて幻想的になりそうです。

まだ暗くなるには少し早かったですが、こんな感じで時間つぶしにはおすすめの場所です。

駅に戻ります。

規模は小さいですがイルミネーションもありました。

ここからまた5時間乗車するので、食料や飲み物などは買っておきましょう。

17時44分発の特急宗谷で札幌へ帰ります。帰りの自由席は行きと違ってガラガラで、乗車率3割といったところ。

冬だともう日が暮れているので車窓は楽しめませんが、本当に明かりも何もない真っ暗な中を進むので、これはこれでおすすめです。

たまに明かりが見えたら駅に到着する、といった感じ。いかに何もない大自然の中を通っているかを実感できます。

およそ5時間15分の長旅を終え、札幌に到着です。

やはり5時間は長いです…

が、思ったよりは充実した稚内日帰り旅行でした。

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まとめ

以上、札幌発稚内日帰り旅行の様子を紹介しました。往復10時間半という過酷な旅ですが、宗谷岬とノシャップ岬という二つの岬を巡ることができ、案外楽しめました。

ただし、かなりしんどいのでおすすめはしません。宿泊してじっくり観光するのがおすすめです。

とはいっても、稚内のホテルって少し高いんですよね…というわけで僕は今度行くときも日帰りだと思いますが(笑)

夏に宗谷岬、宗谷丘陵、白い道をレンタサイクルで巡った日帰り旅の記録はこちら。

稚内関連で、宗谷岬へのアクセス方法やレンタサイクルについてまとめているので、良ければこちらもご覧ください。

今回往復で乗車した特急「宗谷」についても、こちらの記事でさらに詳しくまとめています。

読んでくださってありがとうございました。

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